カードローンは主に銀行や消費者金融から提供されていますが、最近では銀行のカードローンの利用者が多くなっており、消費者金融はシェアとして多少押されていると言ってもいでしょう。ですが、実はこの為に起きている問題もあり、金融庁もそれを危惧しているという現実があります。ここではその銀行のカードローンの問題点と、消費者金融に利用について合せて考えてみます。

銀行と消費者金融のカードローンの違い

銀行のカードローンによる融資には、貸金業法ではなく銀行法が適用されます。よって、収入による借り入れ制限がなく、極端なケースでは年収の半分程度までの借り入れを行うことも可能です。

消費者金融には貸金業法が適用される為、最高でも年収の1/3が借り入れを行える上限です。これは1社からではなく、全ての消費者金融、及び同じく貸金業法が適用される他のキャッシングも全て合わせた上限です。

よって、審査に合格することが条件ですが、銀行のカードローンを利用した方が消費者金融を何社も利用するより多くの金額の借り入れを行えるということになります。

銀行は金利が低いのが特徴です

銀行のカードローンは消費者金融と比べて金利が低いことが多くなっています。消費者金融では最高金利が年利18％のことがほとんどですが、銀行では15％程度のことが多いです。この最高金利が実質的な金利になることも多い為、この面から消費者金融より銀行のカードローンの利用者が多くなっていると考えられます。

消費者金融並のサービスを行ってます

消費者金融は年収による借り入れ制限があることに加えて、銀行より金利が高いこともありながら、それでも利用者が多いのは、銀行よりサービス面が充実しているからだと言えます。

ですが、最近では銀行のカードローンでもネットから24時間いつでも申し込みが行えるのは当たり前になり、ネットから操作でいつでも瞬時に口座まで借り入れが行えるカードローンも存在するなど、銀行でも消費者金融並のサービスを行うようになってきました。この点も、銀行のカードローンが多く利用されるようになった理由の1つだと言えるでしょう。

銀行のカードローンの問題点とは？

このように、銀行のカードローンには法的なこれといった借り入れ制限がないことに加え、消費者金融並に利用しやすくなってきたという点から利用者が多くなりましたが、この借り入れ制限がないということが逆に仇となり、返済が不能なほどの借金を抱えてしまった人を生み出す原因になってしまっているという現実があります。

多重債務者の増加にも関係しています

”多重債務者”という言葉に厳密な定義はありませんが、一般的には複数の借り入れ先から返済が不能になるほどの借金を抱えてしまった人を指します。

現在の多重債務者の多くは、その借り入れに銀行のカードローンが含まれているとも言われています。それは、前述のように収入による制限なく借り入れが行えてしまう為、消費者金融と同時に利用することもできるからです。

消費者金融を利用した場合

銀行のカードローンを利用せずに消費者金融だけを利用した場合、何社を利用したとしても、合計して年収の1/3を超える借り入れを行うことはできません。

この年収の1/3とは、無理なく返済が行えるラインとして貸金業法によって定められている金額で、実際にもこれを超える借り入れになると返済が厳しくなると言っていいでしょう。

このラインが適用されない銀行のカードローンは、場合によってはもちろん重宝できますが、それによって返済が不能になるほどの借金を抱えてしまう可能性もあるということです。

限度額は預金ではありません

カードローンは確かに便利ですが、その限度額をあたかも預金だと勘違いしてしまい、すぐに上限まで借りてしまうことも多いです。その限度額が消費者金融より大きいことが多い銀行のカードローンの利用は諸刃の剣だと表現できるかも知れません。

消費者金融だけを利用すると、最高でも年収の1/3までしか借りられない為、返済ができないほどの借金を抱えることや、多重債務に陥ることは少ないと言うことができます。つまり、消費者金融に適用される年収のよる借り入れ制限はいいストッパーになるということです。

金利だけで判断しては危険です

この借り入れ制限より、金利の面から銀行のカードローンを選択するケースも多いですが、実はそれほどの差はありません。

例えば10万円を借りた場合、年利18％の消費者金融では1ヶ月で約1480円の金利が掛かりますが、銀行を15％とした場合は約1232円になり、その差は約250円です。これは言ってしまえば缶コーヒー2本分程度の差でしかなく、そこまで変わるという訳ではないのです。

消費者金融を利用する方が安全です

実際にそれほど借り入れを行わない場合でも、限度額が大きく設定されていると、その金額までどんどん借り入れが膨らんでしまうことも充分に考えられます。将来的なことまで見越してカードローンを選択する場合、限度額が銀行のカードローンより低くなる可能性の高い消費者金融を利用する方が安全だと言うことができるかも知れません。